「小池百合子都知事」を支持するB層はなぜ何回も騙されるのか?
東京都議選直前!中川淳一郎と適菜収が衆愚選挙の本質を暴く!
適菜 空気に流される層を、マーケティング的な手法で誘導したほうが効果的だと連中はわかっている。だから、徹底的にメディア対策を行い、大多数を占める大衆にウケるようなことをやることになる。それは、現状否定と改革です。これは左翼の進歩史観、キリスト教の終末論と同じ構造です。小泉も、民主党も、安倍もとにかく現状はダメだと。なぜかというと悪の組織があるからだと。だからそこに切り込み、改革を断行していくんだと。橋下徹や小池百合子の手法もそうですが、同じような紙芝居にB層は一貫して騙されるんです。
「騙された!」と叫ぶ人々
中川 郵政選挙のときも、小泉さんを邪魔する自民党の守旧派はダメだという話でしょう。
適菜 そうです。郵政民営化に反対したまっとうな議員に「抵抗勢力」というレッテルを貼り、自民党から追い出したわけです。公認せずに、刺客を送ったり。めちゃくちゃですよ。衆院でギリギリで郵政法案は通って、参院で否決されたんです。そしたら、小泉は「民意を問う」と言って、衆院を解散した。
中川 あれはひどかった。
適菜 「国民の皆さんに判断を委ねたい」と。議会も参院の役割もわかっていないわけです。あれは議会主義の否定だし、手続きの否定です。自分に反対するやつは追放すると。あれで自民党は完全にダメになってしまった。小泉は「自民党をぶっ壊す」と言っていましたが、本当にぶっ壊してしまい、今もぶっ壊れたままです。
中川 そこが政権を握っていて、次も圧勝しそうなわけじゃないですか。
適菜 だから、どうにもならないんです。B層は「民主党に騙された」と言いますが、それなら自分が簡単に騙されるバカであることを自覚すべきなんですよ。「自分は判断能力が欠如しているがゆえに騙されたのだから、今信じているものにも騙される可能性がある」と考えるのが普通の人間です。でも今、安倍に騙されている情弱は、自分の判断が間違っているとはつゆほども思わない。それで、安倍政権の売国の実態に気づいたときには、「当時はそんなことを知る手段がなかった」「報道しなかったメディアが悪い」などと言い出すのでしょう。ワイドショーを見てボンヤリしているうちに、巨悪に加担してしまうのが今の時代です。そのあたりの話は『安倍でもわかる保守思想入門』(KKベストセラーズ)にも書いておきました。
中川 適菜さんとオレは悪口を言いつつ、なにを憂えているんだろう。お互いにペシミスティックなところがあるし、他人なんてどうでもいいと思っているところがある。でも、なぜオレたちは喋っているのかを適菜さんに聞きたい。なにかを変えたいと思っているのか?